2018年7月28日土曜日

写実の泥沼

 

子供の顔の写真を鉛筆で模写する時、輪郭と目、鼻、口、髪をさらっと描くと、意外とすぐに可愛くて良い感じになるんですよね。ここで止めておけばきっと気が楽なんでしょう。周りからは「似てる」なんて言われますし。

でもこれは写実とは違うイラスト的な絵なので、よせばいいのに踏み込んでしまうんです。
もっとリアルに陰影を描くと、せっかくちょっと似てたのにそれが可愛いらしさも含めて消し飛んで、絵が台無しになってしまいます。さらに描き込むと、気持ち悪く、汚く暗い別の絵になるんです。

そこから辛く長いトンネルに入ります。自分ではどこが悪いのか分からなくなって、描いては消しの繰り返しです。その状態を『煮詰まった』って言っています。そんなときは諦めてしばらく間を置くようにしています。

1週間〜1ヶ月経ってから絵と写真を見直すと、煮詰まってる時はわからなかった「違い」がいくつも発見できます。写実絵が良くならないのは

絵が下手のではなくて、写真をちゃんと見てないからなんだ!見方が足りないからなんだ!

その休憩と再開を繰り返して、「違い」が100個くらい修正されたころ消えた【可愛らしさ】が少しずつ戻って来ます。

インスタを見てると、写実に果敢に挑戦したために泥沼に入り込んでる方が多いです。可愛い対称がまるでゾンビになって辛いだろうなあと思います。でもその挑戦に心から敬意を評します。


この絵も一度泥沼に入ってしばらくもがいていました。やっとトンネルの出口が見えてきたところです。少女の母親にやっと似て来たと言ってもらえました。でも実物の可愛らしさの20%も出てないです。もっと時間を置いて描き込んで、80%くらい可愛いと思える写実画にしたいと思っています。

完成はこちら




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